不動産屋には10日ほど時間を貰って我が家で対策会議。
「なんで売れなかったのかなぁ」
☆「庭が無いじゃない。田舎暮らしには庭でしょう」
「玄関は北向きだね」
☆「北向きの玄関を嫌がる人って意外に多いよ。風水好きだからね」
「でもウチにはちょうどいいんじゃない?」
☆「いいよ、いいよ!気に入ったよ。ねぇもう一度見に行こう?」
「ダメだよ。もう暗いし。行くなら明日にしようよ」
☆「じゃあ明日もう一度見に行くよ。約束だよ」
ウチの奥さんはすっかり気に入り、実は私もすっかり気に入っていた。しかし、何より寒すぎ。
もう一度厚着をして様子を見に行く事にした。
翌日、マイカーでその家を見に行った。
1階の浴室と台所が暗かったのは放置され伸びすぎた庭木が、窓を塞いでいるからだった。
庭木を切ってしまえばもう少し明るく、暖かくなるに違いない。
景色はもう文句なし。これ程景色が良ければ、庭を造る必要も無いし、借景していても当分、
恐らく我々が死ぬまではこの景色だろう。
翌週不動産屋ともう一度物件を見学する約束を取り付け、その日が来るまでに、さらに2度程見に行った。

