この家で最も不満だったのが水廻り。
せっかくの輸入住宅。
水廻りもそのまま日本に持ってきてくれれば良かったんだけど、残念ながら日本向けにアレンジしている。
さらに施工段階で日本の職人さんが、日本の住宅やペンションでも作る様に作っているから、水廻りだけは日本風。
無論、住器はアメリカから持ってきているから、流し台や洗面台の高さは日本製から比べると高めで、そのお陰で、非常に使い易い高さになっている。
ついでに言えば、便座は日本製、それも今ではほとんど見ない座面430ミリタイプ?だから、
普通に腰掛けると、便器に落ちるんじゃ無いかと、冷やっとする程低い。
便器もそのうち取り替えたいが、古くても未使用だから汚れてないし、取りあえずそのまま利用だな。
さて、不満の固まりの水廻り。
一番の不満が風呂。
米国風に2階のメインベッドルームにくっつけてくれれば最高だったのに、残念ながら日本風で1階。
風呂桶は米国用だが、風呂場は日本風、それも風呂桶の水をそのまま床に流す用に傾斜を付けたタイル。
せめて配水管を風呂桶に直結しておいてくれれば良かったけど、日本じゃそんな事はしない。
さらに、風呂の入り口はユニットバスの風呂用扉をわざわざ付けている。
これも風呂場と着替えの床が同じレベルなら分かるが、風呂場側は床面からさらに20センチ位下がっている。
風呂用扉を付けて、着替えの床に水が来ない様にするなら分かるが、風呂場の床が低く下がっているのに、ユニットバス用の小さな扉を床から10センチ持ち上げて取り付けているから、
10㎝高い入り口をまたぐと、そこから30センチ低いタイル張りのタタキに足を置く事になる。
風呂に入る度に、床から10センチ足を上げ中に足を入れると、そこから30センチ下がるから、
毎回奈落に足を入れる様なモノ。
何気なく足を踏み入れるとまたここで、冷やっとする。
本当に考えてない。
アメリカの住宅は、あまり歴史は無いけど、住民が変わる度に使い易い様に家に手を入れているせいか、使っていて矛盾を感じない。
時として、とんでもなく高い位置に洗面台が付いていたりして驚くが、それはそれなりに理由がある。
日本は均一で、公団が高さ70センチと決めると、民間住宅まで台所が70センチになる。
バリエーションが無くて、さらに使いにくくても誰も文句を言わず変えようともしない。
不思議な民族だ。
コストコで格安のシャワーセットを手に入れバスタブに取り付けてから、火が付いた。
この危険なタタキを米国風に床にしてしまおう。
先ずバスタブからの排水がタタキに広がらず、なるべく直接排水溝に向かう様にしなければならない。
バスタブの下には5ミリから25ミリ位隙間が空いている。そこから水が出ない様にすれば良い。
シリコンでシールしても良いが、シリコンは非常にカビやすくバクテリアも増殖しやすい。
窓枠などに使うバックアップ材というモノがあり、これはポリプロピレンの発泡材。
太さは5ミリ位から30ミリ位までの円筒状。
我が家では25ミリを買って、バスタブの下側の隙間に入れた。
初めの部分は25ミリの材料を押しつぶして5ミリの隙間に押し込み、バスタブのカーブと隙間にそって押し込んでいく。
途中から隙間の方がひろくなるので、カッターナイフで半円形に切った材料をさらに重ねてギューギュー押し込む。
最後の壁までの20センチ位を排水開口として開けておいた。
これで、風呂桶から排水しても、タタキの部分は最少範囲しか水で濡れない。
思惑通り行くか、この状態で1ヶ月位放置。
幸い思惑通り水は余計な所にはみ出さない。
そこで本格工事。
2×4材の防腐処理材で骨組み足を立てる。
タタキが傾斜しているので、骨組みの水平を見ながら各足の高さを調整。これがちょっと面倒。
次に、床材を貼るのだが、水分が多い風呂場。耐水がありさらに塗装がしてあるコンパネを利用。
風呂桶の微妙なカーブに合わせながら、床張り。塗装面をタイル側に向け少しでもカビ対策。
将来内部を見る必要がある時用に、一カ所はネジ止めしない点検床にしておく。
最後はクッションフロアーを貼り付けて完成。
クッションフロアーはなかなか気に入った柄が無かったけど、フランス製かなんかで、粘着剤付きフロア材が見つかったので、それを使用。
で、ようやくここまでこぎ着けた。

ユニットバス用の小さな扉はどうしようも無いので、扉の入り口の高さにバス側の床高さを揃えた。
これでようやく自然な形で風呂場に足を踏み入れる事が出来る様になり、違和感を感じなくなった。
せっかく新築するのに、何でまた使いにくく作るのかさっぱり分からない。
建築思想がバラバラなんだよな。
とにかく、家を住みやすくする戦いは死ぬまで続くのだ。
・・・・・・・・ホンマかいな。
