山手線の内側で、スクスクと育った妙な子供は、あまり自然と馴染まず育った。
北海道の山の中腹で石狩平野を毎日眺めていた私の事は、驚きの毎日であるらしい。
「ねー。コレ見てみて。なんだか痛いんだけどどーなってる?」
「トゲだろ?チョッと待っててね‥‥ 指見せて。‥‥‥」
「はい。これ。トゲ入ってたよ」

「えーすごーい。リス、何でも出来るんだねー」
「トゲ抜く位誰でも出来るだろう」
野放しで育てられた私は、自分の指のトゲも自分で抜かなきゃいけなかったし、
しょっちゅうトゲを刺してたから、トゲを抜くのも慣れたモンだ。
妻は妻で毎回新鮮な驚きがあるし、私は私で驚く妻に新鮮な驚きがある。
